加藤さん(押上在住歴:10年)
押上の街のゆったりした雰囲気が大好きで約10年住んでいます。以前住んでいた街は、都心の方に勤めていたこともあり、にぎやかで通勤時もせわしない感じでした。転職を機に押上に引っ越してきて驚いたのは、どこか懐かしい情緒ある街の風景が残っていて、静かなことです。のんびりとした時間が流れているので、落ち着いて暮らせる街だと思いました。外食する場所もほとんど押上界隈が多いですね。大通りから1本裏路地に入ると大人な渋いバーがあったり、老舗のおいしい飲食店があったりするので、仕事帰りにもふらっと寄ったりしています。下町らしいこの気軽さが最高の魅力でしょうか。これからも長く住んでいきたいですね。
室谷さん(押上在住歴:20年)
地元が押上なので、子どもの頃はよくこの辺りで遊び回っていました。大人になった今は仕事をする場所として押上を選びました。この街の落ち着いた雰囲気が好きなので、ずっと暮らしています。東京スカイツリーができて、駅前の様相はかなり変わりましたが、町並みは昔のまま残っているところも多くて安心しますね。新しいお店がたくさん増えましたが、昔から好きな居酒屋さんは変わらずに通い続けていますし、東京スカイツリー周辺の新しいお店は食材を調達するためのスーパーとして利用しています。新旧が共存しているので、生活のシーンに合わせて使い分けられるのが便利ですね。
大石さん(押上在住歴:9年)
この辺りには、お互い様という付き合い方があります。ご近所さん同士で「この前はどうも!」「はいよ!」なんて通りがけに声を掛け合っている光景をよく見ますよ。昔ながらのものもたくさん残っています。今はインターネットでたくさんの情報を見ることができますが、ここでは何かを告知するときには、いまだに街の掲示板、回覧板なんです。あと、押上の辺りは街の文化も長い歴史がある街なので、いろいろな逸話や由縁の地があります。住み始めた頃に町会の人たちがいろいろな話を聞かせてくれました。今は形として残っていない押上の歴史も、会話というコミュニケーションで引き継がれています。私も今後、次の世代の住民たちに伝えていければと思っています。
野村さん(押上在住歴:8年)
押上で店を始めて約8年です。この街の好きなところは、高い建物が少ないところですね。だから、ここに暮らしている人たちはみんな目線の高さが同じで、気取らない身の丈に合った人たちが多く住んでいます。いまだに下町ならではの長屋文化が息づいていて、粋な人間が多いのも魅力です。店の前に置いてはどうかと、わざわざ植木を届けてくれる人や店を留守にするときには、花や植木に水やりをしてくれる人もいます。また、新しく移り住んでくる人にも優しいですね。長屋を改装して新たにお店を出したいという若い人がいれば、同じように長屋でお店を出している先輩店主たちがおすすめの物件を案内したり、アドバイスもしたり、つながりを大切にする人が多いです。そんな人情味のある面白い街ですね。
築70年の長屋を改装した茶房。看板メニューは、石臼で豆を挽いて淹れてくれる珈琲、そして手打ち蕎麦 。「世の中のしがらみから、離れてほっとできる場所になれば」という店主の思いが込められた店内は、アンティークなランプのやさしい明かりと昔ながらの調度品があり、落ち着く佇まい。定期的に花や煎茶などの教室なども開かれ、地元の人たちの憩いの場に。
アトリエ創藝館
誰でも気軽にちょうちんや扇子に江戸文字で好きな文字を書いて、お土産にすることができる「体験工房」(2,700円〜)が人気。書き方を教わりながら、店主の大石智博さんによる江戸の歴史についてのお話も聞くことができ、江戸文字を通した粋な文化が学べるのも楽しい。親子で夢中になること間違いなし。
老舗ワインスクール講師、遠藤誠さんがオーナーのワインバー。「本物の味を身近に楽しめるワインバーをつくりたい」という思いから、実家で営んでいた味噌問屋の倉庫を改装し、現在の店舗をオープンした。ワインは、世界各国約1,000種類という、さすがの品揃え。気取らずに、お客様が満足してほしいという思いから、料理はお肉の前菜盛り合わせ1,800円から、しっかり食事ができる仔羊肩ロースのロースト グリーンペッパーソース 1,850円などが並ぶ。連日盛況なので予約してからの訪問がオススメ。斜向かいには500円で気軽に楽しめる立ち飲みワインバー「角打ワイン 利三郎」もある。